top of page

「第14回北陸リウマチ膠原病支援ネットワークの集い」レポート

当日は、まずまずの天候のもと、昼過ぎから次々と家族連れの方も訪れ、約70名の方のご参加となりました。

開会では、石川県立中央病院 腎臓内科・リウマチ科 診療部長 中島昭勝先生から医師代表のご挨拶、布川カヅエ様から患者代表のご挨拶をいただきました。お二方からは、当会の存在意義や 14 年間患者さんのお役に立てる会であり続けてきたことをお話して頂きました。

第1部「医療講演」

座長 城北病院リウマチ科 部長 中﨑聡先生 のもと、2つの医療講演がありました。今回は質疑応答の時間も設けられました。

まずは、金沢大学大附属病院 リウマチ膠原病内科 水島伊知郎先生より、「ANCA関連血管炎の最近の知見」についてのご講演でした。「ANCA(抗好中球細胞質抗体) 関連血管炎」の病態や、バリエーションそれぞれのメカニズムについて、また薬物療法や血漿交換などの治療法について、最新治療も混えて、詳細に解説してくださいました。

アンケート結果からは、最新の治療や情報を聴かせて頂き、良かったというご意見、また、なかなか聴く事のない ANCA 関連血管炎の情報を話して頂きありがと うございましたというご意見もありました。難しい内容でしたが、皆さん関心を 寄せて聴いて下さいました。

つづいて、金沢医科大学病院 血液・リウマチ膠原病内科 准教授 山田和徳先生より「リウマチ膠原病の新しい治療について」のご講演でした。全身性エリテマトーデス、関節リウマチのバリエーションごとの薬物治療、そのメカニズムとガイドラインによる実際の処方や注意点、生物学的製剤など最新の治療薬のご紹介を混えてのご説明でした。ANCA関連血管炎、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎、成人スチル病への応用についても触れられました。

質疑応答では、副作用があった場合の対処方法について、新薬の他の病気への適用について、などの話題が出ました。

アンケート結果からも「リウマチ膠原病の医療の最新情報を聴くことが出来て良かった」というご意見が多数ありました。それと共に医療がどんどん変化していくことになかなかついていけないという戸惑いもあるようです。そういった患者さんの為にも、このような医療講演の必要性を強く感じました。

第2部「患者と医師による対談」

全身性エリテマトーデス(SLE)の患者様でご出産を経験された方と、その主治医である、金沢大学附属リウマチ・膠原病内科 原怜史先生との対談が行われました。

患者様から、発症、確定診断までの経緯、SLEと判ったときの葛藤などが語られ、原先生からは、SLEの病態・症状・診断方法・治療方法について簡単なご説明がありました。ついで、治療開始時・結婚を控えた時期のステロイド治療やその副作用への不安などが語られました。また、妊娠出産前後の合併症や治療、先生のご心配、無事出産後のお子様のすくすく育つご様子に逆に勇気をもらえたこと、第二子の妊娠出産時の思いなど、非常に濃い内容の対談となりました。

妊娠出産は健常人でさえ、何が起こるか判りません。その上、SLE を患いながら 妊娠出産をするのは大きなリスクを抱えていると思います。しかし、周囲の協力を得ることや主治医と相談しながら妊娠出産は望める、諦めることはないという勇気をいただける内容でした。

アンケートにも、まさに今、妊娠中で出産を控えている女性から「勇気を貰いました。私も元気な赤ちゃんを産みます」というお言葉が書かれていました。また、今から妊娠出産を考えているというリウマチ膠原病の患者さんからも「諦めずに焦らずに臨みたい」というご意見がありました。同様のご意見が多数見られた他、親の立場から励まされましたというお言葉も沢山ありました。

原先生は、途中からの主治医でありながら、病歴を最初から詳細に把握しておられました。アンケートでは、そのような頼りになり優しい先生に、主治医になって頂きたいというご意見も多数寄せられました。「患者と主治医」の良好な関係性が見られるとても素敵な体験談でした。

余興「懐かしのフォークソング 梅原久範 先生と愉快な仲間たち」

恒例となった、余興のライブが会場を沸かせ、ホッとしたひと時となりました。今回から4人のユニット「One Small Step」と名を改め、1曲め 海蔵亮太の「愛のカタチ」、2曲め 今年初めに亡くなった患者サポーターへの想いを込めた MISIA「アイノカタチfeat.HIDE(GReeeeN) 」、3曲め SMAP「世界に一つだけの花」の全3曲が披露されました。

この模様は、YouTubeでも公開しており、ホームページの活動報告「第14回北陸リウマチ膠原病支援ネットワークの集い」余興ライブから見ることができます。

第3部「医師と患者による疾患別グループ懇談会 」

「関節リウマチ」「全身性エリテマトーデス」「強皮症」「多発性筋炎・皮膚筋炎・血管炎症候群」「シェーグレン症候群」「混合性結合組織病・成人スチル病・再発性多発軟骨炎・ベーチェット病・その他」の6つのグループごとに席を円形に並べ、それぞれ、ご専門の先生方、難病支援センターの方、サポーターを混えての懇談会が行われました。

どのグループの参加者も熱心にご質問ご相談をされ、また病気に共通な話題に盛り上がり、時間の経つのを忘れるほど白熱した懇談会となりました。

最後に

例年より若干人数は少ないものの、非常に濃い内容となり、皆様も非常に充実した表情で会場を後にされました。アンケートには、新たに数名のサポーターになって頂ける方のお名前を頂戴しました。

尚、来年の「集い」は10月18日と日取りも決まり、第15回という節目のもと行われます。 より多くの患者さん・ご家族にご参加いただけるよう、引き続き準備と周知の徹底が望まれます。

これを読まれている皆様も、どうぞ、来年の「集い」を覚えておいていただき、 お気軽ご参加いただければ、幸いです。ご家族でのご参加も歓迎です。

以上です。

bottom of page