前回「災害時に備えて(難病患者の避難&持ち物)」の続きです。
避難所の種類
非難には大きく分けて、避難所、在宅非難、車中泊などがあります。いつ、どこに非難するかは、最後に書きましたのでご参照ください。
それぞれの長所、短所は次のようになります。
在宅非難、車中泊
長所:
防災バッグ、水、など重たい物を持ち出さないで済む
暖かい場所で横になって寝られる
短所:
自治体により難病患者の名簿を持っていないため、医師・行政などから把握されにくい
備蓄がなくなった場合、避難所に取りに行っても確実にもらえるとは限らない(避難所の人が優先)
断水した場合、トイレ対策に困る
情報が得にくい、得られない
さらに車中泊の場合、
体を伸ばせないので、エコノミークラス症候群になりやすい
避難所の場合
対して避難所の状況はより過酷です。
急な非難で必要な物を持ち出せない
水や食料、毛布の到着まで数日かかる
人が密集、動きにくい
トイレが不便・汚い
衣食住が同一空間で空気が汚れている
栄養が偏る
入浴制限
プライバシーがない
その結果起こりやすいこととして
ストレス
不眠
疲労
高血圧
持病悪化
運動不足
便秘
寝たきりになる
エコノミークラス症候群
移動・片付けによる怪我
感染
食中毒
いさかい
性被害
また、医療チームの到着、医療機関・薬局の再開まで数日(3日〜7日ぐらい)かかるため、
処方薬切れ、持病悪化
のリスクもあります。
長々と短所を書きましたが、長所もあります。
周囲に助けを求めやすい
周囲が異変に気づきやすい
医療チームがいち早く到着する
水・食料などが備蓄されている場合もある
物資がいち早く到着する

避難所生活での工夫
どこに非難するにしても、期間がどのぐらいになるかは分かりません。少しでも健康に快適に過ごせるよう、自分でできる対策・工夫をしましょう。
体調が悪化した場合、悪化しそうな場合は、すぐに医療チームに相談しましょう。周囲に助けを求めましょう。
以下は、自分でできる対策・工夫の例です。
事前に備えておけること
災害時に支援してくれる人を探しておく
自分で持ち出せる重さの避難袋を準備しておく
処方薬を2週間分用意しておく
避難時に怪我をしないよう靴を部屋に置いておく
杖、メガネ、懐中電灯も手元に置いておく
避難先でできる対策
寒さ
なるべく床に直接座ったり寝たりしない
緩衝材、毛布を敷く
ダンボールで簡易な椅子を作れます
新聞紙・アルミシート・緩衝材などを服の中に巻く
ダウンウェアは服の中に着る
毛布には全身くるまる
高血圧
血圧を測る
特に手足先まで温める
なるべく動き回る
トイレでいきまないように便秘をしない
生活リズムを維持する
水分をとる(1日1リットル以上)
ストレスを減らす
筋力の低下(1週間動かないと筋肉量は1割減少する)
体を動かす
簡単な運動
少し息が切れるぐらいまで(ふらつく場合はつかまって)
立ったり座ったり
足踏み
足を横に広げる
医療チームにリハビリ支援を相談する
より弱い方へ物資を運ぶなど、自分の役割を作る
エコノミークラス症候群
ふくらはぎの筋肉を動かす
→足首を曲げ伸ばし、回す
水分をとる
足をマッサージする
足を高くして寝る
入手できれば着圧ストッキングを履く
感染症の広がり
なるべく生活空間を広くとる
換気をする
床面より高いところで生活する
マスクをする
除菌・殺菌を徹底する
なるべく生活する床面を高くする
罹患したかもしれないと思ったらすぐに医療チームに相談する
栄養不足・偏り
塩分を摂りすぎない
甘いものを摂りすぎない
なるべく緑黄色のものを食べる
水分をとる
ストレス
なるべく周囲の人と仲良くなる
協力する
耳栓を利用する
プライバシーが保てず、音や匂いがストレスになりますが、なるべく周囲の人と仲良くなることで、不快感が軽減されるそうです。
対策は以上になりますが、個人的には、トイレ事情、冬の寒さ、体調悪化時の医療支援に不安を感じました。事前に出来きる対策は早めにしておこうと思います。
平成28年、第11回北陸リウマチ膠原病支援ネットワーク総会講演
「災害時におけるリウマチ膠原病患者の心構え」
(石川県難病相談・支援センターさま講演スライド)を参考にさせていただきました。
いつ、どこに非難すべきか

避難所に行くべきかどうかの判断はどうすればよいでしょうか。
まずは住んでいる場所の危険度をハザードマップで調べます。国土交通省が公開しているサイトが便利です。

これをもとに、水害・土砂災害・津波でどの程度の被害の可能性があるのかを把握しておきます。住んでいる場所が対象地域だった場合は、「避難指示」が出たら非難しなければなりません。
非難に時間のかかる方は、「避難指示」の前段階「高齢者等非難」が発令されたら非難しましょう。
(おまけ)
受援力
今回、受援力という言葉を知りました。援助は必ず受けられるとは限りません。難病申請し、認定されただけでは被災時に自動的に援助が受けられるわけではありません。
昨年末にこんな記事が掲載されました。
これによれば、市町村には「避難行動要支援者名簿」の作成が義務付けられていますが、難病患者が掲載されていない自治体は4割にのぼるそうです。
つまり、我々難病患者は市町村からの支援の手は届きにくいということになります。
難病患者の管轄は、県の難病相談・支援センターですので、そちらからの支援や支援要請を待つことになります。
待っていては支援は受けられないかもしれません。
事前に支援者を見つけておく
準備を万全にしておく
災害時のシミュレーションをしておく
などの行動が必須だと思います。
最後に
今回の震災における珠洲市のドキュメンタリーを拝見しました。
公助(行政による救援)の手が届くまでの間、持ち堪えられるよう、普段から自助(自分たちの自覚による根ざした行動)や共助(コミュニティによる協力体制)の強化が大切であることを実感しました。
2024年1月25日 スタッフY.Y
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